ユーザーさんの活用事例 ... 聖隷浜松病院
社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院聖隷浜松病院は、DPC分析システムとしてgirasolを利用し、DPCデータを活用した取り組みを行なっています。
その取り組みが、月刊/保険診療 2013年4月号 ( 医学通信社 ) に寄稿記事として掲載されています。
寄稿記事は執筆は
社会福祉法人聖隷福祉事業団 理事/総合病院聖隷浜松病院 事務局長 日下部 行宏 様
入院医事課長 笹ヶ瀬 晃央 様
によるものです。
聖隷浜松病院さんならびに医学通信社さんのご好意により許可をいただき、girasolの活用事例として一部を抜粋してご紹介させていただきます。
…なお、記事の全文は こちらからダウンロードいただけます。
医療の標準化におけるgirasolの活用
寄稿記事の冒頭では、
『DPC/PDPSの導入は(中略)"医療の標準化を促す手段"であるという側面も見逃せない』としています。
そのための方法論として
『病院間のベンチマークを行なっていくことが重要となってくる』
とし、
『DPC分類という共通の単位を使用して、病院間のベンチマークを行なっていく』
ことは
『自分の立ち位置を知る』
ことであり
『自院の実態を把握し、有効な手段を探索することができる』
と、
ベンチマークを大切なものと位置づけていただいているようですね。
そして、
『DPC/PDPSとは、単なる支払いのための仕組みではなく、病院マネジメントの改革を促す仕組みでもある』
とあり、聖隷浜松病院さんのDPCを積極的に活用していこうという姿勢が窺えます。すばらしいですね(^^)。
ベンチマークを活用したクリニカルパスの標準化
聖隷浜松病院さんが、データを活用し『DPC対応型クリニカルパスの整備』 を行なっていることも紹介されています。
基本は、
『DPC病院の平均在院日数( = 入院期間Ⅱ日)を意識したパスの作成・改訂』
としながらも、
DPC分析システム( = girasol )を活用して『もう一歩踏み込んだ取組みも始めている』
ようです。
『このシステムでは、パスイメージでベンチマークできるのが利点である。』
と、girasol特有の機能を活用し、
『例えば、以下のような要素で比較する。
- 抗生剤は術後何日まで使用されたか
- ドレーンは術後何日で抜去されたか
- 術後何日で退院したか
- どの検査がどのタイミングで何回行われたか
- どの画像診断がどのタイミングで何回行われたか
その結果、自院の診療内容(抗生剤使用日数や検査の回数など)が適切なものであるかを再検討できる。
場合によってはパスを修正することもある。
このように、ベンチマークを行うことにより、より効率的で質の高いパスを作成していくことが可能となる』
とあります。
girasolを活用し、治療の中身をすごく細かいところまで他の病院さんと比較しながら、パスを改善する取り組みをされているようですね。うれしい限りです♪
DPCと出来高の比較
聖隷浜松病院さんは、
『「出来高」のほうは(中略)コストの概算と捉えることができる』
と
『「DPC-出来高比較」のデータの活用』
もされているようです。
出来高差がマイナスの場合は(経営の観点から)
『診療が過剰気味で非効率である可能性』
について検討しますが、逆にプラスに大きい場合は(医療の質の観点から)
『診療が薄い可能性も否定できない。安全性や質を担保する医療がきちんと行われているかどうかをチェックする必要がある』
とあります。
治療内容が多すぎないか・少なすぎないかをチェックするための方法として、出来高差を大切に活用いただいているんですね。
また、DPCと出来高の比較は、どの病院でも同じ基準で計算ができることから
『ベンチマークにも活用でき、利用範囲が広い』
とし、
『診療部に現状を説明するには、他医療機関とのベンチマークを行い、それを視覚的にいかに見やすくするかがポイントになる』
としています。
分析のみならず、それを上手に伝えることも大切にされているんですね。
請求におけるgirasolの活用
請求における12ポイントとして、聖隷浜松病院さんの様々な取り組みが紹介されています。そのうちの1つとして、コーディングの正しさをチェックするため、girasolを活用いただいている旨が記載されています。
樹形図分岐の選択
樹形図分岐の選択を正しく行うためのポイントとして
『システムに頼るばかりでなく、時には自分の目で診断分類樹形図に戻って確認する』
ことの大切さや、
『商品名と一般名がつながらず、分岐の見落としが起こ』
らないようオーダーシステムを活用する取り組みと並び、
『DPC分析ソフトのチェックツールを活用』
として、girasolを活用いただいている事例が紹介されています。
同院の他の仕組み(オーダシステムなど)では、化学療法のレジメンの選択誤りをチェックすることができないため、
『当院では、それを補う別のツール ( =girasol ) を使用している。』
とあります。
『このチェックツールは、レジメンの選択誤りだけでなく、手術の「あり」「なし」の見落としや、その他の選択誤りもチェックできるため、月に数回リストを出力して、点検を行なっている』
ようです。
何か1つに頼ること無く、使える様々な方法を駆使することが大切なようですね。
DPCに関わるスタッフは高い意識を
記事は次のように締めくくられています。
『医療の世界は日々進歩しており、DPC/PDPS制度も診療報酬改定ごとに複雑化している。診療情報管理士をはじめDPC/PDPSに関わるスタッフは、この制度の変化に対応すべく学んでいかなければならない。また、DPC/PDPSが医療マネジメントのツールである以上、制度を学ぶだけでなく、そこから得られた情報をいかに活用していくかも考えていかなければいけない。
DPC/PDPSに関わるスタッフは、病院管理・病院経営に有効な情報の管理・提供を行なっていく存在であるべきである。』
聖隷浜松病院さんでは、スタッフの1人1人が、病院管理や病院経営への参画意識を持って、情報を使いこなすべく頑張っていらっしゃるんですね。
最後に
ベンチマーク、パス、請求のためのチェックなど色々なところでgirasolをご活用いただき、とても嬉しく思っています。聖隷浜松病院の皆様ありがとうございますm(__)m。
引き続きドンドン使って、より良い病院になるようご活用いただけましたら幸いです(^^)。